MEDICAL COLD CHAIN REPORT

ブログ|業界コラム

調剤ロボットを並べて見える3つの違い

機能の異なる三台の調剤・監査システムが並んで置かれたデモスペースの様子

本ページは公開情報を整理した業界コラムであり、特定の機器・サービスの推奨ではありません。

比較表の前提:どこに機械が入るのか

薬局の調剤業務は、「処方監査 → ピッキング → 調剤・分包 → 最終監査」という流れで進みます。調剤ロボットや監査システムが扱う機械は、この流れのどこに入るかで性格が変わります。棚から薬剤を揃える場面に使う装置、パッケージや袋に取り込まれたタイミングで確認する装置、一包化(一回分の薬を薬包紙にまとめる調剤)の内容を読み取る装置など、ロボットという共通の呼び名でまとめられる「調剤ロボット」の中には、実際には異なる用途の機械が含まれています。

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また、機械の導入は薬局全体の構成(処方件数、処方箋に対応する薬剤の形態、在庫の延べ、稼働できる台数、主要な床面積)に左右されるため、機器単体の公表数値だけを並べると判断が難しくなります。本コラムでは、事実項目が明確に別れる切り口を三つに絞って整理します。詳細な比較表は【比較表】自動調剤ロボット・一包化監査システム(page-04)をご覧ください。2026年10月30日時点の各社公式サイトの公表内容に基づき、当サイトが確認できた項目のみを扱います。

違い1:一体型と後付け型(一包化監査の組み合わせ方)

一包化まわりの監査システムには、「一体型」と「後付け型」の二つの組み合わせ方が確認できます。一体型は、分包機本体に監査機能が組み込まれており、分包と監査が一連の流れで進むという説明で公表されてきました。後付け型は、既存の分包機とは別に監査機が設置され、分包後の実際の袋を読み取って照合する方式です。日本のように一包化の件数が多い薬局では、既設の分包機を保持しながら監査機だけ追加する運用を取り入れる事例を確認できる反面、管理する台数が増えるという留意点も確認されます。

具体的な製品の例でいうと、富士フイルムのPROOFIT(プルーフィット)シリーズは袋の外から一包化された薬剤を自動的に照合する方式と公表されており、2026年9月1日には最新機種「PROOFIT 1D Ⅲ」の新発売がプレスリリースで告知されています。一方、湯山製作所の一包化錠剤監査支援装置「TabSight-S」は、ユヤマ分包機で発行した錠剤分包品を1包ごとに自動で薬品照合する仕組みが公表されています(出典は両社の公式サイト・公表資料:PROOFITの製品ページと新発売の告知、湯山製作所の一包化錠剤監査支援装置のページ)。

違い2:端末の方式(アプリ・ハンディ・据え置き)

ピッキングまわりの監査システムは、端末の方式の違いが運用の形を決めます。アプリ型は、iPhone・iPadのような一般的な端末で動くタイプで、アサイクルの「PICKING GO」が30日間の無料お試しを公表している例として確認できます。ハンディ型は、専用端末で棚の取り揃えを確認するタイプで、湯山製作所の「NEW PORIMS」のようにiPod touchと専用端末の二つの形が公表されている例があります。据え置き型は、天秤と連動して数量まで確認できるタイプで、タカゾノの「ATTELNO2(アテルノ)」やトーショーの「C-Correct Ⅱ」が、バーコードと電子天秤を組み合わせた説明で公開されています。

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端末の方式は、それぞれ薬局の現場に向けたメリットと負担が対比できる範囲で整理できます。アプリ型は初期導入の物理的な負担が小さく、ハンディ型は専用機械の管理、据え置き型は設置スペースの確保という面が対比として確認できます。いずれも価格が公表されていないため、薬局が判断する基準として、導入台数・端末管理・保守・マスタ更新を含めたトータルの時間コストが一般的な読み方になります。

違い3:監査の方式(バーコード・画像・重量)

監査の方式は、薬剤をどう判別するかによって整理できます。代表的な方式がバーコード読取り、画像照合、重量判定の三つです。バーコードは、医薬品に印字されたコードを読み取るため、薬剤の判別はコードの登録内容に依存するという限定があります。画像照合は、成分の形や種類をカメラで判別する方式で、バーコードのない医薬品を扱う場面の選択肢になります。重量判定は、電子天秤と組み合わせて数量まで確認する方式です。

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コンテックの「audit-i」は、AIを応用した特許技術で薬剤を判別し、画像・バーコード・重量の組み合わせで薬剤の種類と数量を判定すると公表されています。一方、ファルモの「EveryPick」は、GTINコードをカメラで読み取るだけで監査できる方式とエビデンスとして写真を保存できるという説明が公表されています。方式の差について詳しく知りたい場合は、各社の公式サイトと、その装置の判別対象(PTP・散剤・外用薬・一包化品)を確認するのが効率的です。

選び方を整理する基本的な読み方

三つの違いを押さえると、薬局側の判断は「自分の現場はどの流れに機械を入れるか」から始まり、その下で型と方式の種類がふるい分けされる構造に整理できます。なお、本コラムは、機器の選定を推奨するものではなく、2026年10月30日時点で確認できた公表内容の範囲を整理したものです。

公表値は各社のサイトで更新されるため、選定時は必ず各社の公式サイトをご確認ください。

本サイトは医療用コールドチェーン・調剤機器の業界を公開情報から整理したものであり、医薬品の使用・保存・調剤に関する助言ではありません。制度・温度管理の基準は厚生労働省・各自治体・メーカーの公式情報をご確認ください。