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この比較表の読み方
医療用の温度管理は、「冷たい空間を保つ機器」と「温度を記録し監視する機器」の二つの層で成り立っています。前段の層が薬用保冷庫・冷凍冷蔵庫で、後段の層が温度データロガー、集中監視システム、クラウドプラットフォームです。このページでは両方の層に属する6社を、運営会社・本社・機器区分・主な公表製品・温度記録や監視機能の公表の有無という事実項目だけで横並びにしています。
表に記載した数値は、2026年10月30日時点で各社公式サイト・公開資料を確認して採れたものです。確認できなかった項目は「公式サイト参照」と表記しています。おすすめ度や満足度のような主観評価の列は設けていません。製品の選定は各社の仕様書と、温度管理の基準(GDPと温度管理の制度)を併せて判断してください。
| 運営会社 | 本社 | 機器区分 | 主な公表製品(例) | 温度記録・監視機能の公表の有無 | 温度仕様の公表(例) |
|---|---|---|---|---|---|
| 湯山製作所 (YUYAMA) | 大阪府豊中市 | 薬用保冷庫・調剤機器全般 | スリム型薬用保冷庫「FMS-175GSX」(幅50cm・有効内容積179L・冷温・常温保管・ノンフロン仕様と公表) | 公表あり(製品ラインアップ上、温度管理関連機器として扱う。詳細は公式サイト参照) | セル単位の値は公式サイト参照 |
| PHC株式会社 (PHCbi) | 東京 | 薬用保冷庫・冷凍冷蔵庫・モニタリングシステム | 薬用保冷庫シリーズ、ワクチン保管を想定した「MPR-S300H」等の公表 | 公表あり(クラウドサーバーで温度・CO2濃度をモニタリングする「LabAlert PRO」) | 各機種の庫内温度の仕様は公式サイト参照 |
| フクシマガリレイ 株式会社 (MediFridge) | 公式サイト参照 | 薬用保冷庫・業務用冷熱機器 | 薬用保冷庫「MediFridge」シリーズ(スイング扉、オートクローズ、ドア警報標準装備と公表) | 公表あり(ドア警報・温度異常時警報の標準装備と公表) | ECモード2~25℃、HCモード3~5℃(1℃単位)の公表 |
| T&D株式会社 (おんどとり) | 長野県塩尻市 | 温度・湿度データロガー・クラウド | 「TR7A2シリーズ」(Bluetooth・無線LAN対応、クラウド接続型のデータロガーと公表) | 公表あり(クラウド上で閲覧する遠隔モニタリング。一部機種にワクチン保管管理に役立つモードがあると公表) | 測定仕様の詳細は公式サイト参照 |
| 株式会社チノー (CHINO) | 東京 | 温度記録計・集中管理システム | 「ワイヤレスウォッチャMD8000」(医薬・医療用冷蔵庫等の温度収集・保存・警報監視のシステムと公表) | 公表あり(受信器最大6台・送信器最大360台の接続構成、電子記録集中管理パッケージとの連携等の公表) | 測定仕様の詳細は公式サイト参照 |
| TOPPANエッジ 株式会社 | 東京 | 温度管理プラットフォーム(クラウド) | 「オントレイシス クラウド」(GDPガイドラインやHACCPに対応すると公表された温度管理プラットフォーム) | 公表あり(輸送・保管時の温度データのクラウド管理) | サービス仕様の詳細は公式サイト参照 |
2026年10月30日時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。値・実績は確認できたもののみを記載し、確認できないものは「公式サイト参照」としている。最新の仕様・価格は各社サイトで確認してください。
各社プロフィール
湯山製作所(YUYAMA)
大阪府豊中市に本社を置く調剤機器メーカーで、薬局向けの自動調剤装置・監査支援装置のラインナップと並行して、薬用保冷庫を提供しています。薬局という一つの現場に、取り揃え・調剤・監査・保管という複数の作業があるため、装置同士が連携する構造を組み立てやすく、保冷庫も調剤機器の一部として組み合わせられるのが特徴です。公表製品では、スリム型薬用保冷庫「FMS-175GSX」が幅50センチという設置性をアピールしており、有効内容積179リットルで冷温・常温保管に対応、環境に配慮したノンフロン仕様のためフロン排出抑制法の対象外となっていると説明されています。これは薬局の狭いスペースに保冷庫を置くうえでの基本的な悩み(設置面積と内容量のトレードオフ)に正面から応えた設計であり、調剤室のレイアウトを検討する前提として参考になる事例です。なお温度設定の幅や記録装置の接続方法は機種ごとに異なるため、値を表に記載する際はあくまで各機種の仕様書で確認することが推奨されます。当サイトは事業情報としてこの公表値を整理しただけで、機器の選定・見積もりには関与しません。詳細は湯山製作所の薬用保冷庫製品ページをご確認ください。
PHC株式会社(PHCbi)
バイオメディカル事業として保存機器・培養機器・実験環境機器を提供するメーカーで、薬用保冷庫・研究用保冷庫・薬用冷蔵ショーケースなどの保存機器のラインナップを幅広く揃えています。前身は旧パナソニックヘルスケアの一部で、現在はPHCホールディングス傘下の事業として、医療・研究向けの保存とモニタリングを手がけています。公表資料では、ワクチンの保管基準として保冷庫には凍結の予防、温度均一性の厳密な管理、扉開放後の庫内温度復帰が迅速であることが要され、ワクチンの保管に使われている「MPR-S300H」等の製品と結び付けて説明されています。この視点は、保冷庫の品質が「冷たいこと」ではなく「庫内温度の安定」にあるという判断軸として役立ちます。またモニタリングシステム「LabAlert PRO」は、クラウドサーバーを使うモニタリングシステムとして温度やCO2濃度をモニタリングできると公表されており、複数台の保冷庫を一まとめに管理する方向性を提供しています。当サイトは機器の仕様の数値を表で一律に書かず「公式サイト参照」としており、選定の際は各機種の仕様書を確認してください。詳細はPHC株式会社の薬用保冷庫製品一覧と同モニタリングシステムのページをご確認ください。
フクシマガリレイ株式会社
業務用の冷凍・冷蔵機器の国内メーカーで、1951年の創業以来、食品業界や医療分野の温度管理に応える機器を提供してきたと公表しています。薬用保冷庫「MediFridge」シリーズは、薬用保冷庫のフラッグシップモデルとして、従来のスライド型ショーケースの課題を解決するために開発されたと説明されています。スイング扉を採用してスライド扉の隙間による冷気漏れや結露を克服し、省エネ・省スペース・高精度制御を実現するとしており、おおむね90度以内で扉が自動で閉まる仕様、温度異常時の警報の搭載が公表されています。温度設定の幅については、ECモード2~25℃、HCモード3~5℃(1℃単位)と公表されており、単一機種で「厳密な温度管理から冷温保管まで」を兼ねる構成として提示されています。近年の医療DXという文脈で、温度帯の機能区別を保冷庫側で組み込んでいる事例として、機器側の在り方を示す理解しやすい一例です。当サイトは販売店等の情報を含めず、各社の公式公表値を基に整理しています。詳細はフクシマガリレイの薬用保冷庫についてをご確認ください。
T&D株式会社
温度測定器のブランドとして「おんどとり」シリーズを展開する計測機器メーカーで、長野県塩尻市に本社を置いています。クラウド対応の温度・湿度データロガー「TR7A2シリーズ」は、無線LANに加えてBluetooth機能を搭載し、スマート端末・PC向けの直接通信に対応したと公表されています。また、TR71A2とTR75A2にはワクチン保管管理に役立つモードが搭載されていると説明され、医療まわりの温度記録に対応した設計が確認できます。機器が保冷庫に直接組み込まれない(後段で付ける)タイプの温度管理を検討するとき、保管側の機器と独立した装置かどうかを選べることが大きな実務上の選択肢になります。T&Dの製品ラインナップは、クラウド上で温度データを閲覧する機能を前提にしており、測定した温度の蓄積と確認をレポートとして取り出せるのが特徴です。当サイトは、計測器の精度や価格を表に記載する場合も、各社の公式公表値を基にしています。詳細はT&DのTR7シリーズ製品ページをご確認ください。
株式会社チノー(CHINO)
温度計測・制御の長い歴史を持つ国内メーカーで、1936年の設立以来、製造現場での温度計測を得意とし、記録計・調節計・温度センサ・データロガーなど各種計測装置を提供しています。医療・医薬分野向けには冷蔵保管庫の温度収集に活用できる「ワイヤレスウォッチャMD8000」というシステムを提供しており、最大6台の受信器を接続して360台の送信器が接続できると公表されています。小規模から中小規模分散システムへの適用に向けた構成として説明されており、複数台の保冷庫を分散して置く病院や薬局の現場に向いた設計としています。また、グラフィックレコーダで各所に分散して設置されている医薬・医療用冷蔵庫や保管庫などの温度等の警報監視、モニタリングを行う集中管理システムの利用事例が公表されており、紙面・電子の記録管理を一つの仕組みでつなぐ構成として紹介されています。当サイトは、メーカーの推奨を表に記載せず、公表されている構成の事実だけをカテゴリー別に整理するとしています。詳細は株式会社チノーの医薬・医療用温度管理システムの説明ページをご確認ください。
TOPPANエッジ株式会社
温度管理をクラウド型のサービスとして提供する事業者で、出荷・輸送・保管を対象にした温度管理プラットフォーム「オントレイシス クラウド」を展開しています。公式ページでは、GDPガイドラインやHACCPの制度化に対応する温度管理プラットフォームとして、温度管理が必要な医薬品や食料品などの輸送・保管時の品質向上に貢献すると説明されており、GDPまわりの要求と直接接続することが公表の特徴です。機器・ロガー・クラウドのマトリクスの中で、TOPPANエッジはサービス層に属し、既存の機器と組み合わせて使うサービスとして導入する形をとります。当サイトは「多数の機器がどのようにつながるか」という観点を別々に整理するため、機器メーカーの公表の温度帯と、サービス事業者の公表の対象業務を並べています。詳細はTOPPANエッジのオントレイシス クラウドのページをご確認ください。
比較表から読み取れる構造
六社を並べると、医療用の温度管理が「保冷庫の筐体」一つで成り立っていないことが分かります。保冷庫メーカーは庫内の温度安定性と設置性で、ロガー・計測メーカーは温度の連続記録と遠隔確認で、プラットフォーム事業者はGDPまわりの運用の組み立てで、それぞれの役割の強みを押さえています。さらに、PHCのモニタリングシステムやチノーの集中管理・T&Dのクラウド・TOPPANのプラットフォームという「記録と監視」の層は、製品の寿命が筐体よりも短く、更新が進みやすい点が特徴です。薬局や病院の立場では、保冷庫の価格に加えて、温度の記録手段とその維持コストを分けて整理しておくと、更新・見積もりの判断材料として扱いやすくなります。
なお、本比較表は2026年10月30日時点の各社公式サイト・公開資料に基づきます。最新の仕様・実績は各社サイトで確認してください。
まとめ
【比較表】自動調剤ロボット・一包化監査システムで調剤側の機械化を比較しています。医薬品物流のDXでは、温度記録が流通段階でどのように扱われているかを整理しています。制度の話に戻る場合はGDPと温度管理の制度へどうぞ。
